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北海道に行きたい
自転車で北海道に行こうと思ったのは、漫画を見たからです。
少年マガジンでは釣りキチ三平が連載されていました。ルアーで釧路川のイトウを釣るシーンです。
少年キングでは長期連載中のサイクル野郎。主人公が自転車で日本一をする漫画です。
これに感化されて北海道に自転車で釣りに行くことにしました。でもお金がありませんから貯めなくてはいけません。
出典/E-book Ebook japan
当時はまだ新便配達くらいしかアルバイトは思いつきません。電話帳で近くの販売店にかたっぱしから電話してみますと幸い配達員を募集しているところがありました。
まだ15歳なので働いたことがありません。朝刊と夕刊の配達ですが、400件近くあり覚えるのが大変です。
梅雨時など、鉄骨の階段で足を滑らして足首を捻挫してから、めげて夕刊の配達だけにしてもらったのでなかなか資金が貯まりませんでした。
集金もやるようになって、少し収入が増えましたけどサイクリング用の自転車を買って残り少なくなりました。
片倉のシルクキャンピングという自転車でキャンプをしながら長期間自転車旅行ができるしっかりした作りのもでした。
私はまだ野宿をしたことがありません。
キャンプ用品は横浜市鶴見区にある石井スポ-ツで揃えました。ホワイトガソリンを燃料に使うオプティマス8Rという箱型のバーナーも買いました。
新聞配達のアルバイトをちょうど1年やり6月に旅に出ます。
販売店家族の人には俺も連れってくれよ~と言われましたね。一家でしょうがなく新聞販売店をやらされていた次男さんは、そう言ってました。
家族には書き置きして早朝の4時に横浜の家を出発しました。
見送りに友人が3人ばかり来てくれたのは驚きましたね。
自転車で坂道はとてもつらい
国道246号線の江田から長津田までのアップダウンはかなりキツいです。分かっている道を走るのは苦痛なのです。
この道は津久井湖にブラックバス釣りに父親に車で連れて行ってもらった時に通っていたので知っていたのです。
町田街道を抜けてやっと津久井湖へ、電車とバスで通った中村釣具店の前を通って相模湖へ行きますが、道志橋橋までの急坂をついに自転車から降りて押しました。
相模湖畔の売店で食べたラーメンがとても美味しかったです。
午前8時には相模湖着いたので4時間くらい走って来たのでしょう。
全長約3キロの笹子トンネルを抜けるのには後ろから大型トラックがきますから、かなり緊張しました。や
っとトンネルを抜けて甲府に向けて曲がりくねった坂を走っていたら黒いアメリカンバイクに追い抜かれました。
次の飲食店で追いつき、中から出てきたお兄さんと少し話してみます。
信州川上村に高原野菜の出荷作業のアルバイトに行くそうです。坂道もバイクなら分けありませんね、バイクって便利だな~と少し羨ましい思いがしました。
甲府駅の百貨店で夕食用に総菜を探しますが高いので缶詰とフランスパンですませることにしました。
適当な川原を探しますと、釜無川の河川敷がちょうどよさそうなので、橋の下にテントを張りました。
これなら雨が降て来ても安心です。
日が暮れるまでの間に釣りをしようと竿を出します。
初めてフライで釣れたのは?
道具はフライフィッシングの道具を持ってきていました。
6本継ぎのロッドでラインはDT5Fというダブルテーパーのフローティングラインを小さなリールに巻いてあります。
フライ(毛ばり)はまだ自分では作る道具を持ってなかったので市販のです。
18番くらいの茶色いフライを岸寄りに何度も流しますがアタリもありません。
ラインをリールからかなり出して、20メートル以上流しっぱなしにしていると、突然ゴゴンっとアタリがあり、手元に魚が掛かった感触が伝わってきました。
初めてのアタリなので興奮します。
寄ってきたのは12センチくたいのオイカワでした。
生まれて初めてフライで釣れたのはオイカワでしたね。
その魚は晩のおかずにはならず、逃がしてあげました。
第一日目の夜は山梨県甲府の竜王近く、釜無川の河川敷で夜を越しました