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多摩川のコイをフライで釣った日々

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多摩川、二子橋の護岸でフライフィッシング

晩秋のある日、いつもように仕事を終えて自転車に乗ってブラっと多摩川にやって来ました。

南武線の武蔵中原駅近くに住んでいた、私のアパートからは自転車で30分ほど走ると二子玉川の護岸に着きます。

左岸に東急田園都市線の二子玉川駅、右岸に二子新地駅がありその間を多摩川が流れています。

夕方2時ころには仕事が終わってしまうので後は暇です。

二子橋の護岸を通りかかったところ、一人の黒いハット帽に赤いバンダナを首に付けた、ちょっとおしゃれな感じの中年のおじさんが、竿をもって護岸に立って川面を見つめていました。

よくみるとフライロッドを持っています。えっ何を釣るのか?ここにはトラウトはいないしな、まさかコイじゃないよね。

今ではコイのフライフィッシングもポピュラーになりましたが、この頃はまだ専門にやってる人は多くいませんでした。

あまりジロジロと見るのも失礼なのであたりを回って、それとなく遠巻きにして様子をうかがっていますと…。

コイ釣り名人登場

おじさんの竿が曲がって弓なりです。

かなりの引きで寄せては走られを繰り返しです。

上がってきたのは黄金色の50センチくらいの大きなコイでした。

まさかフライでコイが釣れるなんて…。それにハリを魚から外すのにフライロッドの穂先をツンと突いて簡単にリリースしています。

思わず声をかけてみます。

「いやぁコイがフライで釣れるんですね~」

ニャッと笑い「釣れないと思ったでしょ」

とおじさんが言います。

私はフライロッドは持っていたものの、あまり釣りにはいってませんでした。

といのも休日が日曜だけなので混むので避けていたのです。

その代わりに平日の夕方から時間が空いていたのですが日帰りだと行けるとこが限らてしまいます。

そのフライをやっているおじさんは、渓流や湖などでまだ魚を釣った事がないそうです。この多摩川でコイのフライフィッシングを初めて3年くらいだそうです。

フライで今まで釣ったコイは2000匹以上です、とおじさんは言います。

鷺沼から電車でフライロッドを持って釣りに来て日が沈む頃に帰って行くのです。

竿はオービスのHLSという6番のものを使ってます。

魚が大きいのでそれなりの強さのもでないと取り込めないと言います。

こんな近くでフライフィッシングが出来るなんていいなぁと、私は思いおじさんに色々と聞いてみると、真冬でも釣れると言います。

1年中釣りが出来るそうですが、日によってはなかなか渋いときもあるそうです。

スポンジエッグが万能

「毛鉤は何を使ってるのでしょうか?」

と尋ねたらフライボックスを見せてくれまして、中を覗くとエッグフライと呼ばれる丸いフライが沢山入っていました。

スポンジで作ってあるのです。スポンジでコイが釣れるんですか?と半信半疑だった私です。

「竿を貸してあげるからやって見ます?」

と言われて、フライロッドを持たされます。

護岸に立ってコイがいそうなところにフライをキャストしますが無視されます。
おじさんに寄るとすべてのコイがフライを食うかというと違うそうで、やる気のある食い気のあるコイの前に、うまくフライをキャストしないとならないそうです。

 

流し方も不自然にフライが流れていると、見切られて食わないそうです。

ここでコイのフライフィッシングを始めた頃は、普通の発泡スチロールの破片でも釣れたそうですが、コイも賢くなり、それでは釣れなくって今ではスポンジエッグになったそうです。

釣れないのでおじさんが上流から食パンを細かく切ったものを流してくれると、何処にいたのか沢山のコイが浮上してきてパクパクと流れていくパンを食っていきます。フライを避けて本物のパンだけをうまく食べていくのです。

あまりに活性が低いとコイの居場所がわからないので始めに少しパンをまいて、やる気のあるコイを探すそうです。

いつもパンのまきエサで魚を誘き出して釣っても、面白くないので普段はあまり使いませんよ、とおじさんは言います。

1年間で700匹近くのコイをフライで釣る

私はその日は、残念ながらコイをフライで釣ることが出来なかったのですが、後日ナップザックに、振り出しのフライロッドを入れて仕事帰りに、自転車で二子橋の護岸に向かいます。

喜楽釣具の小継ぎのフライロッドは釣具店で昔かなり出回りました。

中学生の時にショップで買ってからあまり出番がありませんで、この時とばかりに押し入れから出します。F7と言われ7.6フィートの5/6番のグラスロッドです。

その後、年券を買い毎日のように通い、竿が折れるまで自転車で通いました。

そのおじさんとは毎回毎回嫌というほど釣り場で顔を合わせましたが、いったい何の仕事をしてる方かは聞くことはありませんでした。

コイから始めたフライフィッシングのおじさんは、今では渓流デビューして型のいいヤマメを釣りに行ってるようです。

私たちが主に釣っていたのは多摩川の右岸、川崎市側です。左岸の世田谷区の方にも似てような方がいて多摩川のコイはフライで釣れ、などの本も出版された人もいました。

また二子玉川のフライショップ、ビックウォークで横田正巳さんが店員をしていた頃です。今はループトゥループというフライショップを武蔵小金井で開いてます。

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16歳の時に、自転車で横浜から北海道に釣りに行ってからあっという間におっさんになりました。